累計発行部数20万部を突破した大ベストセラー「反応しない練習(著:草薙龍瞬)」。
「ずっと読みたいと思っているけれど、なかなか読み出せていない……」という人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな人のために「反応しない練習」の要約と、うつ病の私が実際にやってみたトレーニングとその感想をご紹介します。
この記事はこんな人におすすめ
- 「反応しない練習」の要約を読みたい人
- 「反応しない練習」を実際にやってみた感想を知りたい人
「反応しない練習」の基本情報
まずは「反応しない練習」の基本的な情報をご紹介します。
著者 | 草薙龍瞬 |
出版社 | KADOKAWA/中経出版 |
発売日 | 2015/7/31 |
ISBN-10 | 4041030404 |
ISBN-13 | 978-4041030400 |
「反応しない練習」の要約
続いては、「反応しない練習」の要約をご紹介。
本書は、現代人が抱えるあらゆる悩みを解消できる方法を解説しています。それは、「反応しない」こと。心のムダな反応をやめることで、一切の悩みは解決できるのです。具体的な方法は大きく2つ。1つは心の反応を見ること。心の動きを観察することで、面白いほどに心のざわつきが治まってくるのです。注意すべきなのは、受け入れるのではなく、「ある」ものと「ある」と理解するということ。悩みを解決するための第一歩が、自分に「満たされなさがある」と気づくことなのです。2つ目は、合理的に考えること。悩みを解決するためには、筋を通して考えなくてはいけません。本書には、合理的に考えるためのメソッドがたくさん記載されています。また、本書はブッダの思想に着想を得ていますが、決して宗教本ではなく、実用的かつ合理的なメンタルトレーニングの本といえるでしょう
うつ病の私が実践したいと思ったこと&やってみた感想〜5選
結論からいうと、「反応しない練習」は悩みを抱える全ての人におすすめできる自己啓発本です。
今回は、うつ病の私がぜひ実践したいと思ったことを5つ厳選してご紹介します。
心の状態に名前をつける(ラベリング)
本書によれば、私たちが日頃抱えている悩みを「理解する」ことが解決のための第一歩だと言います。
まずは、悩みが「ある」と理解することが重要。
とらえどころのなかった悩みが可視化されるのです。
悩みを見える化するために、常に「心の状態をみる」習慣をつけることが大事だと本書は解説しています。
そのために有効なのが、「ラベリング」。
感情が動いたときや、日常の動作をするたびにこの習慣を実践するようになると、心がムダな反応をしなくなるのだといいます。
実際に、私もやってみました。
気づいたのは、ラベリングをすることで自分のことを客観視できるようになるということです。
つい気分が落ち込みそうになったとき、「私はいま落ち込んでいるな」と心でつぶやくだけで、落ち込んでいる自分を肯定できるような気がしました。
さらに、「いまこの瞬間」に意識が向くようになるところも良い点だと感じます。
気分が落ち込んでいるときや、不安に苛まれているとき、たいていは意識が過去や未来に向いていることが多くありませんか?
過去の失敗を気にしていたり、起きるかどうかもわからない未来の事柄について心配していたり。
つまり、「いまこの瞬間」に意識がないのです。
ラベリングという習慣は、過去や未来に飛んでいってしまった意識を、現在に引き戻す役割もあるように感じます。
私にとって、これからも継続していきたい習慣となりました。
目を閉じて自分の感覚に意識を向ける
ストレスのたまった心をリフレッシュさせる方法として、本書では「感覚を意識する」という方法も紹介されていました。
具体的にどうすればよいのかというと、「目を閉じた状態で、手をみる」のです。
つまり、手の感覚に全意識を集中させる。
実際にやってみると、不思議な感覚でした。
普段意識しない、指先の感覚まで意識が及び、心が自然と落ち着いてくる感じがするのです。
短時間の実践でも心の落ち着きを感じられたので、心がざわめいてきたと感じたらぜひ試してみてほしい方法です。
一歩、一歩と外を歩く
現代社会では、多くの人が自己否定に悩んでいます。
自分を過度に責めたり、自分を傷つけたり。
本書では、自己否定に打ち勝つ粘り強い心を作り上げるための方法として、散歩をあげています。
ただ歩くのではなく、大切なのは五感をフル活用することが大切です。
鼻先から入ってくる空気のにおいを感じたり、一歩一歩足の裏から伝わってくる大地の感触を感じたりすることが大切なのです。
このように感覚を研ぎ澄ましながら散歩をすると、頭を占領していたネガティブな気持ちが消え去り、「感覚」という新しい自分を生きることができるようになるのです。
実際に、私も五感をフルに使いながら散歩をしてみました。
率直な感想は、とっても気持ちがいいということ。
心にかかっていたもやがスッと消え去っていったような感じがしました。
ネガティブに心が支配されそうになったら、まず一歩外へ出てみるということがいかに大切か実感しています。
快を大切にする
ブッダの考え方によれば快とは喜びや幸せを感じている心の状態のこと。
不快とは、怒りや不安などを感じている状態です。
幸せになりたいなら、「快の反応」を大事にしよう。
不幸になりたくないなら、「不快な反応をしない」ように努力しよう。
草薙龍瞬. 反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 (p.101). Kindle 版.
つまり、欲求に素直に従ってもいいのです。
欲に従うことはタブーだと考えられがちですが、本書は経典ではなく、自己啓発書。
ブッダの思想を援用しつつ、多くの人が実践できるノウハウを紹介しているのが本書の魅力でもあります。
この部分を読んだとき、私には自分の快/不快をうまく感じ取れていないという問題があると気づきました。
いつも理性で感情を制御していて、自分にとっての喜びが何かよくわかっていないのです。
まずは、先に紹介したラベリングなどを通じて、自分の心がどんなときに快となるのか知ることから始めたいと思います。
自分のモノゴトに集中する
本書において「自分のモノゴト」とは、以下の定義がなされています。
「自分のモノゴト」とは、自分にとって必要な、役に立つ、カラダ一つでできる「作業」のことです。そこに「他人の目」や「周りがやっていること」は関係ありません。
草薙龍瞬. 反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 (p.124). Kindle 版.
つまり、自分にとって有益であり、自分一人でできる作業を大切にすべきなのです。
そして本書では、「自分のモノゴトに集中する手順」として以下をあげています。
外の世界を気にしない。何かに触れると反応してしまうのが心なので、初めから外を見ないことが大切。
時間を決めて、心の状態を観察する。心をクリアで静かな状態に持っていきます。
「始めます!」と勢いをつけて、作業に専念。取り組むときは無心で。
このステップを踏んで、モノゴトに取り組めば驚くほど集中でき、それによって充足感が得られるのだといいます。
これも、実際にやってみました。
実践してみて思ったのは、いつもならすぐに切れてしまう集中が持続しやすくなったということです。
そして、達成感もハンパありませんでした。
集中がなかなか持続しないという人はぜひ試してみてほしい方法です。