
やらなきゃいけないのに、どうしても体が動かない。
朝起きても布団から出られない。
スマホをダラダラと見続けてしまう。
こんな風になかなかやる気スイッチが入らないと、どんどん自己嫌悪になってしまいますよね。



私自身、うつ病を経験し、やる気が全く出ない日々を過ごしてきました。
この記事では、私が実際に試して効果があった方法を中心に、やる気スイッチの入れ方をご紹介します。


- ことみ
- アラサー女性
- うつ病歴5年
- Awarefy(アウェアファイ)利用歴1年
- マインドフルネスコンサルタント資格保有
- 自分のメンタルケアについて情報発信中
やる気スイッチが入らない3つの原因
まずはなぜやる気が出ないのか、その原因を解説します。
1. 脳科学的な原因
なかなかやる気が湧いてこないのは、やる気に関わる神経伝達物質「ドーパミン」が不足している状態。また、前頭葉が疲労していることも、意思決定や行動開始が困難にする要因です。
うつ病や慢性的なストレス状態では、このドーパミンシステムが正常に機能しにくくなっています。



私の経験では、これは「気合い」や「根性」でどうにかなるものではありませんでした。
2. 心理的な原因
完璧主義の傾向がある人は、「完璧にできないならやらない方がマシ」と考えてしまいがちです。また、目標が大きすぎたり漠然としていたりすると、どこから手をつければいいか分からず、やる気が起きません。
私の場合、「ちゃんとやらなければ」という思いが強すぎて、かえって何もできなくなっていました。60点でいい、むしろ30点でもいいと思えるようになってから、少しずつ動けるようになりました。
3. 身体的な原因
睡眠不足、栄養の偏り、運動不足は、やる気に直接影響します。
特に睡眠は、脳の回復に不可欠です。質の良い睡眠が取れていないと、どんなテクニックを使ってもやる気は出にくくなってしまいます。
【即効性あり】今すぐできるやる気スイッチの入れ方7選
1. 5秒ルール – 考える前に動き出す
「5、4、3、2、1、Go!」とカウントダウンして、考える前に体を動かす方法です。
脳は変化を嫌います。考えれば考えるほど、やらない理由を探し始めてしまうのです。5秒以内に動き出すことで、脳が「やらない理由」を考える暇を与えません。
完璧を求めず、「とりあえず立ち上がる」「とりあえずパソコンを開く」など、最小限の行動から始めるとうまくいきやすいです。
具体的なやり方
- 心の中で「5、4、3、2、1」と数える
- 1の瞬間に、考えずに立ち上がる、手を動かす
- 最初の一歩だけに集中する
2. 作業興奮の法則 – とりあえず5分だけやってみる
「やる気が出たらやろう」ではなく、「やり始めたらやる気が出る」という脳の性質を利用します。
脳には作業興奮という仕組みがあり、行動を始めると側坐核という部位が刺激され、ドーパミンが分泌されます。やる気は行動の結果として生まれるのです。
うつ病の療養中、「5分だけ皿を洗う」から始めました。最初は本当に5分で終わることもありましたが、徐々に「あと少しだけ」と続けられるようになりました。この小さな成功体験が、自信につながりました。
具体的なやり方
- タイマーを5分にセット
- 「5分だけ」と決めて取りかかる
- 5分経ったら続けるか判断する(多くの場合、続けられます)
3. 環境変化法 – 場所を変える、音楽をかける
環境を変えることで、脳に新鮮な刺激を与えます。
同じ環境にいると、脳が慣れてしまい刺激が減少します。場所や音環境を変えることで、脳が活性化し、集中力が高まります。
外出が難しい場合は、部屋の模様替えや、いつもと違う椅子に座るだけでも効果があります。
具体的なやり方
- カフェや図書館など、場所を変える
- 部屋の中でも、机を窓際に移動する
- 作業用BGMやホワイトノイズを流す
- 照明の明るさを変える
4. 身体を動かす – 軽い運動、ストレッチ
体を動かすことで、脳に血流が増え、やる気に関わる物質が分泌されます。
運動することで、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質が分泌され、気分が改善します。また、血流が良くなることで脳の働きも活発になります。
ベッドの上で手足を伸ばすなど、ほんの少しだけ体を動かすだけでも気分が変わります。気分が明るくなれば、自然とやる気が湧いてくるような気がしました。
具体的なやり方
- 10分程度の散歩
- その場で軽くジャンプ
- 簡単なストレッチ
- ラジオ体操
5. タスクを細分化 – ハードルを下げる
大きな目標を、限りなく小さなステップに分解します。
「部屋を片付ける」という大きなタスクは、脳にとって負担が大きすぎます。「机の上のペン3本を片付ける」レベルまで細分化すれば、取りかかりやすくなります。
具体的なやり方
- 「レポートを書く」→「パソコンを開く」→「ファイルを作る」→「タイトルだけ書く」のように、これ以上分解できないレベルまで細かくする
6. ご褒美設定 – 報酬系を刺激する
小さな達成に対して、自分にご褒美を用意します。
脳の報酬系は、ご褒美を期待することでやる気を高めます。達成後の楽しみがあると、行動を起こしやすくなります。
ご褒美は小さくてOK。むしろ頻繁に小さなご褒美を設定する方が効果的に感じました。
具体的なやり方
- 30分作業したら、好きなお菓子を食べる
- タスク完了後に、好きなYouTube動画を見る
- 1週間続けたら、欲しかった本を買う
7. 成功体験を思い出す – 自己効力感を高める
過去に「できた」経験を思い出すことで、「今回もできる」という感覚を呼び起こします。
「自分にはできる」という感覚(自己効力感)が高まると、行動を起こしやすくなります。
うつ病の時は、「何も成し遂げていない」と感じていました。でも、小さなことでも「できた」と自分を褒めることが大事です。「布団から出られた」「朝ごはんを食べた」も成功体験なのです。
具体的なやり方
- 過去に達成したことを紙に書き出す
- 「あの時もできたから、今回もできる」と声に出す
- 小さな成功でもOK(朝起きられた、挨拶できた、など)
【長期的】やる気を維持する習慣づくり5つ
1. 朝のルーティン確立
毎朝同じ行動パターンを作ることで、脳が自動操縦モードに入り、やる気に頼らず行動できるようになります。
実践方法
- 無理のない範囲で、3つ程度の行動を固定する(例:起床→水を飲む→カーテンを開ける)
- 完璧にできなくても気にしない
2. 目標の可視化(視覚化)
目標を見える形にすることで、脳が目標を認識しやすくなります。
実践方法
- 付箋に書いて、目につく場所に貼る
- スマホの待ち受けに設定する
- チェックリストを作り、達成したら線を引く
- ビジョンボードを作る(雑誌の切り抜きなどを貼る)
3. 小さな達成の積み重ね
毎日小さな達成を積み重ねることで、自己効力感が育ちます。
実践方法
- 「今日のよかった方法」を3つ、寝る前に書き出す
- どんなに小さなことでもカウントする
- 「できなかったこと」ではなく「できたこと」に注目する
私は毎日「スリーグッドシングス」という方法で日記をつけています。「10分散歩した」「友人にLINEを返信した」など小さなことでOKなので、その日気持ちが明るくなった出来事を記録することで「自分も少しずつ進んでいる」と感じられます。
4. やる気が出る時間帯の活用
人によって、やる気が出やすい時間帯は異なります。自分のリズムを知り、それに合わせて行動します。
実践方法
- 1週間、時間ごとのやる気レベルを記録
- やる気が高い時間帯に重要なタスクを配置
- やる気が低い時間帯は、ルーティン作業や休憩に充てる
5. 定期的な振り返り
週に一度、自分の状態を振り返る時間を作ります。
振り返りポイント
- 今週できたことは何か
- やる気が出た瞬間はいつだったか
- うまくいかなかったことから学べることは何か
- 来週試してみたいことは何か
シーン別やる気スイッチの入れ方
シーン別でおすすめなやる気スイッチの入れ方をご紹介します。
仕事・勉強のとき
- ポモドーロ・テクニック: 25分作業+5分休憩を繰り返す
- 難易度の低いタスクから: ウォームアップとして簡単なタスクから始める
- 制限時間を設ける: 「30分だけやる」と決めると集中しやすい
朝起きたとき
- カーテンを開けて日光を浴びる: 体内時計がリセットされる
- 布団の中でストレッチ: いきなり起き上がらず、体を目覚めさせる
- 好きな音楽をかける: 音で脳を刺激する
私の場合、アラームを「好きな曲」に設定し、鳴ったらとりあえずカーテンだけ開ける、というルールにしました。カーテンを開けるだけなら布団の中からでもできます。光が入ると、不思議と少しずつ目が覚めてきます。
午後の眠い時間帯
- 軽い運動: 階段の昇降、近所を一周
- 冷たい水で顔を洗う: 物理的に目を覚ます
- 15分の仮眠: 短時間の昼寝は午後のパフォーマンスを上げる
休日のだらけモード
- 午前中に1つだけタスクを決める: 達成感が得られる
- 外出の予定を入れる: 強制的に動くきっかけを作る
- 「何もしない日」として割り切る: 休息も必要
やってはいけないNG行動3つ
1. やる気が出るまで待つ
「やる気が出たらやろう」は、永遠にやる気が出ない可能性が高いです。やる気は行動の結果として生まれるものなので、完璧なやる気を待たずにとりあえず動き出すことが大切です。
2. 完璧を求めすぎる
100点満点を目指すと、たとえ80点でも自分を責めてしまいがちです。
「ちゃんとやらなきゃ」「中途半端はダメ」という思考は、行動のハードルを上げてしまいかねません。
3. 自分を責める
「こんなこともできない自分はダメだ」と責めると、さらにやる気が失われます。
できなかった自分を責めるのではなく、「今日はうまくいかなかった。明日は別の方法を試そう」と考えることが、長期的なやる気の維持につながります。
【まとめ】やる気スイッチは「入れる」もの
やる気は自然に湧いてくるのを待つものではなく、自分で入れるスイッチ。
この記事でご紹介した方法はどれもおすすめなので、ぜひ試してみてください。
- やる気は行動の結果として生まれる)
- 完璧を目指さず、小さく始める
- 自分を責めず、できたことに注目する
- どうしてもダメな時は休む勇気も必要


